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|基調講演|話題提供1|話題提供2|講演|
*基調講演 :理工系人材開発の包括システムとしての科学教育体系化 科学コミュニケータはどこに位置づくのか(小川正賢)
*話題提供1:科学コミュニケーションにおける博物館の役割(小川義和)
*話題提供2:ジャーナリストの役割(小泉成史)
*講演:科学を伝える 研究者として、作家として(瀬名秀明)
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話題提供「科学コミュニケーションにおける博物館の役割」 |
講師:小川義和(国立科学博物館)
豊かな科学的リテラシーを持った市民を育成するために,学校教育にとどまらず,より広範囲の科学教育を展開する必要がある.そのひとつとして,科学系博物には人々の科学に対する意識を向上する場としてその役割が期待される.
一方,我が国の博物館界では,新たな教育機能等,新しい需要に対応した博物館のあり方を模索しており,他の教育機関と連携協力によって博物館の持つ潜在能力を引き出し,より教育力のある博物館を目指している.また米国や英国の博物館界の報告書からは,現代の博物館を,公共サービスの中核に教育機能をおき,社会からの多様な要請に応える学習資源と位置づけることができる.
博物館は社会に対する説明責任として,その存在意義を明らかし,社会からの要請にこたえる必要がある.特に科学系博物館は科学研究の説明責任を果たし,一般の人々の科学への理解と関心を向上するという戦略的な枠組みの中で,その存在意義を主張しているとも考えられる.
現代の博物館には社会からの多様な要請を受けながら成長していく姿が望まれており,それは,博物館と社会との関係性を高め,社会の中に博物館の活動を根付かせ,社会に対し開かれた博物館を目指すことに他ならない.
このような博物館像の転換には,訪れる人々が発する情報の積み重ねとも無縁ではない.近年の来館者の研究がもたらした学習の本質に関する考察と来館者像の変容は,博物館における学習は複雑であり,その成果を人々の多様性と切り離して考えていくことは困難であるということを示唆している.したがって一方的に博物館が保有する専門的知識を伝えるような展示物や教育活動だけでは,人々の多様な要請や考えに対応したサービスとは言えない.
従来博物館は内なる専門性を伝える活動を中心に行ってきたが,社会の中に博物館の活動を根付かせ,社会に対し開かれた博物館となるためには,博物館利用者の持つ経験や知識を考慮した学習活動のあり方が問われている.科学系博物館には,より積極的な生涯学習の機会を提供し,人々が主体的に科学に対する理解を深め,科学を身近に感じ,科学に興味を持ち,自ら科学的知識を活用できることを目的とした学習活動の展開が期待されている.今後はこのような新しい科学教育に関するモデルを構築する必要があると考えられる.
このような背景のもとに人々の科学的知識の理解の増進とともに科学への意識の向上や科学と一般の人々との双方向の関係性に重点を置いた,科学コミュニケーションについて検討し,科学コミュニケーションにおける科学系博物館の役割を考えていきたい.
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博物館教育担当者として参加体験型展示の構想・企画・運営、学校との連携等を担当。ASPAC(アジア太平洋地域の科学館の会議)や第2回世界科学館会議等に出席するとともに学校と連携した学習活動を研究。国内外の科学系博物館の教育活動に関心を持つ。現在、文部科学省日米理数比較研究会委員、Master Teacher Program研究会委員(フルブライトメモリアル基金)、日本ミュージアム・マネージメント学会研究会幹事、日本科学教育学会年回企画委員等の活動を行う。
略歴:
1960年生まれ。筑波大学生物学類卒業後、埼玉県公立高校教諭を経て、国立科学博物館教育部科学教育室教育普及官に着任。アメリカ自然史博物館教育部インターン、東京学芸大学大学院教育学研究科修了、2003年4月から現職。この間、東洋英和女学院大学、埼玉大学等の非常勤講師を兼務。
著書:
「教師のための効果的な博物館の利用法」(東京堂出版:共著)、「実験たいけんブック第1巻アリスの猫の秘密:視覚と錯覚」(丸善:共訳)、「博物館実習」(樹村房:共著)、「小学校理科教育法」(学術図書:共著)、「サイエンスコミュニケーション」(丸善プラネット:共訳)、「事例分析から見た科学系博物館における学校に対する教育サービスの類型」(日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要,7)、「科学系博物館における学校に対する教育サービスの現状と可能性」(理科の教育,51(8),日本理科教育学会)、「学校と科学系博物館をつなぐ学習活動の現状と課題」(科学教育研究,27(1),日本科学教育学会)、など。 |
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