第6回勉強会 日時:8月7日(日) 14:00〜
場所:国立科学博物館大会議室(本館3階)
講師:NHK 番組制作局 科学・環境番組 
   ディレクター    高山 英男

    *こどもゆめ基金(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター)助成活動


基調講演話題提供1話題提供2講演
*基調講演 :理工系人材開発の包括システムとしての科学教育体系化 科学コミュニケータはどこに位置づくのか(小川正賢)
*話題提供1:科学コミュニケーションにおける博物館の役割(小川義和)
*話題提供2:ジャーナリストの役割(小泉成史)
*講演:科学を伝える 研究者として、作家として(瀬名秀明)

話題提供「ジャーナリストの役割」

講師:小泉成史(テレビ朝日)

 米国在住の高名な日本人物理学者に取材の後、「いつも科学技術の応援をしていただいてありがとうございます」と言われ、面食らってしまったことがある。こちらは彼の研究が面白かったから取材しているだけで、何も応援しようという気はさらさらなかったからだ。良い人だったので、「はア」とあいまいな答えをしておいたが、違和感はずっと消えていない。

 この科学教育関連シンポで「ジャーナリズムの役割」という演題を頂いたときも似たような違和感をもってしまった。普段、科学ジャーナリズムの末端で仕事をしている時、ほとんど教育的効果など意識したことがないからだ。これは新聞やテレビのようなニュースを扱う媒体といわゆる科学雑誌のような媒体とでは同じジャーナリズムの範疇でも違いがあるかも知れない。

 どうも「ジャーナリズム」という言葉の使われ方がわれわれ当事者と研究者や教育者など一般人とで意味がずれている感じがするのだ。

 もう一つ例をあげよう。ある科学系博物館のアドバイザリー・グループの総会に出席していた時、委員の御一人の研究者が「この館で独自に科学ジャーナリストを養成しましょう」とさらりとおっしゃったのにはビックリ仰天した。一口にジャーナリストの養成というが、それがどんなに手間ひまのかかる大変なことか全く意識しておられないようだった。

 今回の話ではこうした例をてがかりに、ジャーナリズム、博物館、科学教育について考えてみたい。

新聞社の科学記者時代、欧米の主として科学系の博物館を見学していて、その 展示の面白さ、資料の充実ぶり、いきいきとした雰囲気に圧倒された。日本の科学技術に いつまでたっても独創性がでないのは、博物館の貧困にも一因があるのではと考え、 新聞社を辞め、日本で初の博物館ジャーナリスト(世界にもいないらしい)を目指している。現在は縁あってテレビ朝日で科学技術の解説を担当している。

略歴:
早稲田大学大学院理工学研究科修士終了(建築史専攻)。1974年読売新聞社入社。84年フルブライト・ジャーナリストとして米国留学、マサチューセッツ工科大学でヴァヌーバー・ブッシュ・フェロー、米国歴史博物館客員研究員。87年読売ワシントン特派員、95年解説部、2000年退社。2002年よりテレビ朝日コメンテーター。慶應大学理工系大学院非常勤講師。金沢工業大学客員教授。

著書:
「おススメ博物館」(文春新書)




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