(1)アイスブレイク(自己紹介と課題)
各々1分ずつ「自己紹介」を行い、「私の課題」を共有する。白川自身が考えている課題は、「教育の一部である大学入試の不備が理科離れを作っているのではないか」と、ちょっと変わっているが、参加者の課題も千差万別と思われる。
ひとつの期待として、いろいろな立場の方々から大学での科学教育の問題点を指摘していただくことによって、すなわち白川が共通の敵? になることによって、これからの進む方向性などが比較的にはっきりと模索できれば良いと考えている。
(2)論点整理
「科学教育と科学コミュニケーションの違いは何か?」という論点から、自然史分野を含めた基礎科学から科学技術などの応用科学まで包括的に捉えながら、科学を軸としてそれぞれの役割や機能、実践事例等を科学系生涯学習施設、科学教育、メディア、行政、企業、ボランティア活動等において科学コミュニケーションに関わる方々及び関心のある方々と科学教育、生涯学習の考え方、そこで実践されるコミュニケーションのあり方について考える。
(3)論点整理から問題点集約へ
(3.1) 一般的な「教育」と「コミュニケーション」の外見的相違点をあげる
「違い」とは、同じ概念や価値観の軸上で反対方向を意味する場合と、概念や価値観が同じ軸上に載っていない事(すれ違い)を意味する場合がある。そこで、まず、「教育」と「コミュニケーション」の(概念を広すぎず狭すぎず捉えた場合の)違いについて思いつくことをあげてもらって整理する。具体的には、「教育は○○だが、コミュニケーションは□□である」という表現の○○と□□にあたるところをポストイットに書いてもらってボード上に配置していく。すると、たとえば表1のような観点ごとの相違点が現れてくると思う。
表1 教育とコミュニケーションの直感的な違い
観点 |
教育 |
コミュニケーション |
学習指導要領(学習範囲) |
ある(指定) |
ない(自由) |
教科書検定(学習内容) |
ある(指定) |
ない(自由) |
試験(評価) |
ある(一方的) |
ない(相互的) |
目的 |
知識・技術習得と人格完成 |
知識などの共有 |
関係機関(組織) |
学校 |
塾?科学館??(NPO??) |
関係者 |
教員‐生徒、学生 |
社会一般、コミュニケータ?? |
この表でも違いをはっきり認識できる場合とそうでない場合があるように、反対の概念とすれ違いの概念が存在する。このような相違点は従来は明確であったが、このところ、総合的学習の時間などの設置によって新しい状況が生じている。たとえば表2のように表されると思う。「学習範囲」「学習内容」「評価」などの点で教育政策が変化している。これは科学技術政策の表れでもある。このような状況を考えながら次のステップへ進む。
表2 教育とコミュニケーションの違いの例外
観点 |
教育 |
コミュニケーション |
例外 |
学習範囲 |
指定 |
自由 |
総合的学習の時間 |
学習内容 |
指定 |
自由 |
課題研究 |
評価 |
一方的 |
相互的 |
良い所を見つける評価 |
目的 |
人を育てる |
知識などの共有 |
生きる力を育てる |
関係組織 |
学校 |
塾?科学館??(NPO??) |
学校と他者の協力 |
関係者 |
教員‐生徒、学生 |
社会、コミュニケータ?? |
生徒 ‐ 地域など |
(3.2) 「科学教育」と「科学コミュニケーション」の違い
次に、「科学」を冠して「科学教育」と「科学コミュニケーション」との相違点を考えると、前(3.1)節ではっきりしなかった相違点(表1の関係組織、関係者など)が少し分離して、たとえば表3のように見えてくるのではないか。また、「科学教育」といった場合には、他の教育、特に「理科教育」との違いが現れると思われる。
表3「科学教育」と「科学コミュニケーション」との相違点
観点 |
教育 |
コミュニケーション |
例外 |
目的 |
一般 |
人を育てる |
知識などの共有、プロセスを楽しむ |
|
科学 |
科学者、専門家を育てる |
科学の社会化、社会の科学化 |
|
関係組織 |
一般 |
学校 |
マスコミなど? |
|
科学 |
学校? 塾? |
科学館 塾? |
|
関係者 |
一般 |
教員‐生徒、学生 |
社会一般 |
|
科学 |
科学者‐社会、コミュニケータ |
|
(3.3) 「私の課題」「私の属する施設の課題」と「科学コミュニケーション」(ここから23日)
他のグループでのディスカッションの報告を参考に、各参加者の課題に戻って考える。
(4)提言「21世紀型科学教育の創造」に向けて
たとえば以下の各点についてまとめていく。
- 「理科離れ」「理工系離れ」の実体は何か
- 「科学技術政策」と「理科教育」の関係は何か
- 「学校現場」の状況はどうか
- 科学博物館と学校の連携はどこまで可能か
- サイエンス・コミュニケーターと位置づけられるのはどういう人か
- 「21世紀型科学教育」の方向は
- 生涯学習施設のミッションと21世紀型科学教育の関係は
- お客さんの(潜在的)需要にどう答えていくか
|