(1)論点の整理
科学技術政策研究所の調査資料「科学技術理解増進と科学コミュニケーションの活性化について(2003 年11 月)」によれば、「科学コミュニケータ」とは科学技術の専門家と一般公衆との溝を埋める役割を果たす人を言い、具体的には、マスメディアの科学記者、サイエンスライター、科学館・博物館関係者、大学・研究機関・企業等の広報担当者、理科・科学の教師、科学技術リテラシー向上に関わるボランティア、のような人々を念頭に置いている。このような科学技術コミュニケータは、科学技術と社会をつなぐ役割を果たす重要な存在である。
研究者を対象とした意識調査においても、我が国においては、科学技術を取り巻く様々な人材の中でも特に、科学技術と社会を媒介していくための人材について、質・量ともに不足感が高いとの結果が出ている。これらの状況からは、科学技術に関して高い見識を備えた十分な数の科学技術コミュニケータを育成する必要があると言える。
(15年度科学技術白書第3章社会とのコミュニケーションのあり方より)
ここでは、我々科学館等の生涯学習施設でコミュニケーション活動を実践するなかで、科学コミュニケータとして必要な知識、技量を高める研修など、十分になされているとはいい難い。必要とされる知識や技量を身につけていく、あるいは身につけさせるためにはどのような研修、学習が効果的か。具体的な事例に基づき、以下の話題提供を元に議論する。
(2)話題提供
- 2003年に開催した、平塚市博物館の特別展「火星大接近2003」の準備段階から、科学コミュニケーションの実例を紹介する。特別展の企画立案からボランティアスタッフを交えた学習会を外部の専門家を招いて行い、資料の収集、展示物の制作、図録の編集、観望会の実施等を共同で進めた中での問題点、課題などについて考える。
- シカゴ大学で催されている、プラネタリウム担当者向けの最新天文学のレクチャーについてその目的、内容と効果について報告してもらい、日本でこのようなことを進めるための問題点、課題などについて考える。
(3)提言「21世紀型科学教育の創造」に向けて |